母の休憩時間

つぶやき

子供と生活をしていると、『ひとりの時間』を持つことはなかなか難しくて…

子供がお昼寝をした時、夜の寝かしつけが終わった後くらいしかないわけなのですが

実家で長期滞在をしていたある日、自分の母親に子供を預けて、1人の時間をもらうことにしました。 

 

 

その前日の夜、タブレットを開いて

明日もらえる約6時間をどのように使おうか

久しぶりの東京時間を有意義に使おうと

あれこれとスケジュールを立て紙に書き出すと

いつもは夫に『何をしたい?』と聞かれても

『う〜ん』とだまりこくってしまってあまり欲がでないのに

さて1人の時間だ!

と思うと、スケジュールがびっちりになるほど楽しみたい欲がでてきて自分でもびっくり。

 

 

100%子供に目が向いていると

自分は二の次。 

 


気がつけば髪は伸び放題でお化粧も1週間していないから、眉毛もボサボサ。 

いざお化粧をしようと思うと、「あぁそうだった。ファンデーションも残り少なかったんだ。」と、周りにかろうじて残ったファンデーションを擦りとって、なんとか顔全体に塗り広げ

「眉毛が描きやすくなればいいか」


と、雑なお化粧をする。


お出かけのことなんて考えていなかったから、ワックスすら持ってきておらず、代わりになるものを探すと、

いつもお風呂上がりに塗っているシアバターがあったので、それを手のひらに少し取って水と馴染ませてワックス代わりに。

うん、なんとかまとまったかなと思い、合わせ鏡でチェックをすると右サイドに数本の白髪が。笑



どこまでも自分のケアに無頓着だなぁと感じた。




なんとか準備が整い、最後に薄手のコートをばさっと羽織った。

全身鏡に映る自分をみて、

『今の自分の身の丈にあっているから、まぁいっか』


と、なんとか整えた感が丸出しな姿に、なぜか妙に納得して無事に出発。 

 

 

予定していた電車よりも一本遅い電車に乗車し、乗り換えの駅で降りると

背筋がシャンとして足取りも軽やか。


いつもは子供に目線を合わせているからか、下向きで、遠くを見ることを忘れていたなと気がつく。




こんなにも軽やかな世界があったんだっけ。


今日もらった6時間は



「母の休憩時間」


と心の中で密かにつぶやいて、次の電車に向かった。




つづく